読書は老若男女にかかわらず誰しもが経験したことのある、人間にとっての知的活動の第一歩です。
最近は「書」の形も多様化しており、紙に印刷された「本」以外にもアマゾンのKindleに代表されるような電子書籍やナレーターの音読によるオーディオブックなど多種多様になってきています。
人が何かを調べたり考えたりする際に最初にあたるものの一つは「本」でしょう。
Google先生に直ぐに聞いてしまう世代もありますが体系的に分析したり思索するには読書がもってこいです。知見の定着にも有効な方法です。
このコラムでは、自己啓発を進める上で一番身近で奥深い読書に焦点を当ててその効能を探って行きます。
どのようなジャンルの本を読んだら良いか、効果的な読書法についても触れてみます。
自己啓発を考える
自己啓発とはなんでしょうか?
有名なマズロー(Abraham Harold Maslow)の自己実現理論、欲求段階説によると人間の基本的欲求で一番高いものは「自己実現の欲求」(Self-actualization)だとされています。
この自己実現を達成するために人間は、自ら進んで知識や技能の獲得、能力の啓発に取り組むのでしょう。
(出展:Wikipediaより)
自己実現の概念はゲシュタルト心理学で有名なゴルトシュタイン(Kurt Goldstein) が初めて使った言葉で、その弟子ロジャーズ(Carl Ransom Rogers)が「健全な人間は、人生に究極の目標を定め、その実現のために努力する存在である」としたことで有名になりました。
自己啓発を考える時に、心理学や哲学などの人間の内面に目を向けた本が多いのもそのためです。
読書による問題意識の明確化作業
読書の行為は、映画やテレビを観るのとは違って自らの能動的な行動によって成り立っています。
ただ「ぼー」っとしていても読書はできない「プル(pull)型」の行為であり音楽を聞く「プッシュ(push)型」とは脳内の働きが違います。
この能動的な読書によって、目標を定める行動を自然と人間はとるようになり「なぜ」「どのように」「何を」などを意識しはじめます。
ではそのような自己啓発に関する本を読む場合にどのようなジャンルから当たれば良いか悩むことでしょう。これには打って付けな方法があります。
【ゴールデンサークルから考える】
YouTubeで3,800万回以上再生されているTEDの講演で有名なサイモン・シネック(Simon O. Sinek)のゴールデン・サークのカテゴリーでジャンル分けをすると解りやすいです。
(出展:ted.comより)
サイモン・シネックはアップルの成功やキング牧師の市民運動の指導力の発揮、ライト兄弟が世界初の友人動力飛行をなぜ成し遂げたのかを「ゴールデンサークル」と呼ぶ3つの円(circle)の図解で解明しています。
読書の場合には序列はさほど重要ではありませんがどのジャンルの本を読んでいるのかを意識することは重要です。
それは自己実現の目的の方向にあった本なのかどうなのかを確かめるための羅針盤となります。代表的な書籍でその3つのジャンルをみてみましょう。
最近のアマゾンのベストセラーからピックアップしてみました。
(「自己啓発 の 売れ筋ランキング」)(Amazon.co.jpより)
※2018年4月22日現在
1.Why?
「極上の孤独」(下重暁子 著/幻冬舎新書)
「漫画 君たちはどう生きるか」(吉野源三郎 著/マガジンハウス)
「嫌われる勇気―自己啓発の源流『アドラー』の教え」(岸見一郎,古賀史健 著)
2.How?
「人生を思い通りに操る 片づけの心理法則」(メンタリストDaiGo 著/学研プラス)
「自分に自信をつける最高の方法―ミス・ユニバース・ジャパンビューティーキャンプ講師の世界一受けたい特別講義」(常冨泰弘 著/三笠書房)
「【入門】お金持ち生活のつくり方―今すぐこの習慣と思考法を身につけよう!」(佐々木裕平 著/こう書房)
3.What?
「美しい『日本語』の言いまわし―粋で優雅で角も立たない!『伝える技術』」(日本の「言葉」倶楽部 著/三笠書房)
「人生で大切なことは、すべて『書店』で買える。」(千田琢哉 著/日本実業出版社)
「超AI時代の生存戦略 ― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト」(落合 陽一 著/大和書房)
2番目と3番目は内容的には被るジャンルですがあえて分けてみました。
読書によって何が知りたいのか、得たいものは何かを考えながら本を選定していくと本選びも多少?楽になるでしょう。
セミナー参加で読書の成果を考察する
いまはビジネスセミナー真っ盛りでその開催回数の統計すらないほどの数です。
文化的なセミナーや市民セミナーなどを含めれば日本各地で毎日毎週、興味のある分野でのセミナーに巡り会えるでしょう。
読書で得た情報や見識を確かめたり広めたりしたいのは人間の性(さが)です。
それはマズローの自己実現理論の4段階目の「承認(尊重)欲求」(Esteem)に属するもので、twitterやfacebookでの「いいね!」に一喜一憂するのはそのためです。
しかしながらリアルタイムで複数の人と密度の高い交流ができるのは実際の人間と会って話をすることです。そのディスカッションや会話の中で、自分の読書の成果が試され新しい知的刺激が得られます。
違う考え方を知る有効性は他者を認めることで得られる、自己の位置の確認ができることです。
まとめ
ビジネス書は一般の小説やエッセーに比べて対象が明らかになるので自己の問題意識の明確化に役立ちます。
明確になった問題意識を異業種交流会やセミナーで生身の人間と比べながら自己研鑽に役立てることが本という枠を超えることに繋がります。
ビジネス書以外でも小説の中から自己啓発に繋がるヒントを得られることも沢山あると思います。
その場合もセミナーや読書会で出会った人に「おすすめ」本を聞くことが有効な方法です。
人間の時間は有限なものです。世の中全ての本を読めれば良いのですが、中々そうも行きません。
その読書の幅を広げてくれるのは実は人間だったりします。
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