著者 ナカムラ クニオ
6次元店主/映像ディレクター
荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などの製作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋さんとカフェ巡り、古文字収集、うつわの金継ぎ。
荻窪にある、知る人ぞ知る「6次元」という名のカフェ。
僕は未来デザイン読書会をプラットフォームとした、「毎日1°(イチド)進化する人が集まるコミュニティ」作りを日々研究・実践・PDCAを行っています。
その参考になるかなと思って手に取ったのがこの本です。
読んでよかったー!
場つくりを考えている方は、沢山のヒントが詰まっているので是非読んでみて下さい。
僕がこの本から読み取ったコミュニティつくりのコツ、
それは
- 全員主役
- シェア
の2つです。
美味しいカレーがあるブックカフェの実験
「古本とカレーは似ている」というスタートも面白いですが、この発想から数か月、結果は美味しいカレーで有名なお店になったとのこと。
バーチャル×リアル=拡散ではなく爆散
シェフのナナさんが毎日のブログ発信で情報を出し続け、その情報をもとに訪れる人を感動させるリアルの味の良さ。これがたった数ヶ月で有名店にした原動力だと思いました。
カレー目当てに全国の食ブロガーもやってくるそうですよ。
- 悪いウワサは早く伝わり、早く消える。良いウワサは伝わるのは遅いが、長く留まる。
- じわじわウワサは心に刻まれるということ。そして自然発生したものが、一番根付く。
やはり口コミが最強ですね。
※今はカレーはやっていないそうです。残念。。

本書より。理想に近づけるためのお薦めの思考プロセスだそうです。やってみよう。
シェア→すみっこサロン
著者と一緒に6次元を手伝ってくれていた宏子さんがスカウトしたのが「ちもちゃん」。
お店の隅っこでクイックマッサージをする「すみっこサロン」を始めたのだそうです。
最初は中村さんも「上手くいくのか?」と半信半疑だったそうですが、
カフェ目当てではなく、ちもちゃん目当てで連日大盛況になったそうです。
- 素敵な人は、素敵な人を連れてきてくれる。そして、素敵な場をつくってくれるのです。
- 「場をつくる」ということは、「人と人との関係をつくる」ということでもあるのです。
カレーのシェフだったナナさんとちもちゃんは6次元で出会ったお客さんと結婚したそうです。
何とも素敵な出会いですね。
今、すみっこサロンは三重県の亀山市で開業しているそうです。
お近くの方、是非行ってみてはいかが?
全盲のピアニストであり写真家 村口さんの話
村口進さんは、生まれながらの全盲で、鍼灸マッサージ師の仕事をしながらピアニストしてもライブ活動をしてたそうです。そして、写真も撮り始めたとのこと。
どうやって撮っているんですか?と聞くと「臭いで撮ってます」という答え。なんだか感動してしまい、他にも見せてもらうと、走っている救急車の写真。こちらは「音で撮る」と言う。
写真は、目で見て、その景色を残すためにあるものだという既成概念を崩してくれるエピソードです。
確かに健常者の普通と、全盲の方の普通は違う。
「普通」の概念って人それぞれが決めるものであるということこそが「普通」なのかもしれませんね。
村口さんの写真展を6次元で開催し、プレスリリースを打ったところ海外含む多数のマスコミから取材を受けたそうです。
「大切なことをたくさんの人に伝えるコツ」
①あらかじめ「小さな物語」をつくること
→人は、いつもささやかな神話を探している。
②情報を「ローカライズ(地域化)」すること
→小さな街の大きなニュースは安心感と説得力がある。
③「写真1枚で伝わる」表現にすること
→新聞に載る写真は1枚。ひと目で伝わる工夫をする。
④「ひと言で内容が伝わる」ようにすること
→わかりやすい言葉の組み合わせで、1行で伝える。
僕はプロモーションの仕事をしているので、この4か条は非常にためになりました。
ふむふむなるほど。早速今のプロジェクトに活かします!!
時代が変わる
カフェには情報と人がたくさん集まると中村さんは言っていますが、
読書会やカフェ会を主催しているからこそ、この一言には深くうなづくことが出来ます。
本当にそうですよ。
会社と家の往復では会えない人がたくさん来ますもん。
僕の知識もアウトプットしますが、それ以上にゲストから教えてもらった有益な情報も沢山ありました。やっててよかったなぁと思ったこと、1度や2度ではありません。
そして、「その場」は僕が自分で「こういうイベントやるよー!」と旗をふり、「この指とまれ!」と発信したからできたのです。
もう上から降ってくるマスコミからの情報ではなく、湧いて出てきた下からの目線の情報を、自分たちが編集しながら取り入れていく時代なのです。
インターネットがこれだけ普及した現在、情報はテレビや新聞、雑誌からしかとらないという人は絶滅したでしょう。
だからこそ、この情報過多の時代、正しい情報を選び取る力をそれぞれがつけないといけませんね。

情報があふれている現在、取り込み、編集し、発信する力が必要。
全員が主役になれる可能性を魅せる
6次元、万事順調かと思いきや喫茶の売り上げが伸びず経営危機に陥ったタイミングがあったそうです。
そこで出会った「文房具朝食会」というイベント。
これだ!と思ったそうです。
ニッチだけど熱狂的なファンが集まるイベントを開催することで、6次元を1段上のつなぎ場に昇華させたのだと読み取れした。
〇〇ナイトの可能性
6次元では、色々なジャンルの「〇〇ナイト」を開催しているとのこと。
一番最初にあがっているの「コケナイト」でした。
コケ。
こけ。
はて?
苔です。
そう、あの苔。
興味ある人いますか?
僕は特に…
でも、きちんと情報発信をすることによって、予約殺到する大人気イベントとなったそうです。
大事なことは、ペルソナ設定。
中村さんは、「コケガール」に人格をつける分類作業を行ったそうです。
コケガールは30歳前後を境に、ワビサビのわかるコケージョ(苔女)へ進化。キノコ文学系とは生息域が異なり…
本文にはさらに詳しくコケージョの生態が記載されているので是非読んでみて下さい。
滅茶苦茶面白いです。
どんな人が苔の情報を求めているかを定義し、その方向に沿った情報を発信した結果、拡散し、狙った以上の成果を叩き出したのだと思います。
その他にも
猫ナイト、ドビュッシーナイト、ブータンナイト、運慶ナイト、屋久島ナイト等々、様々な「ナイトイベント」を開催したそうです。
うーん、どれも面白そう!というか、来る人いるの?ってのもありますが、自分の価値観だけで物事を判断してはいけませんね(笑)
この〇〇ナイトは、本当にその〇〇が好きな人が集まるのでそのことについて話したくて話したくてウズウズしている人が集まります。
しかも、共感も求めているので他の人の話も興味津々で聞くでしょう。
そりゃ、この空間、居心地が悪いわけがないですよね。
全員が主役のコミュニティってこんな感じなんだろうなと思います。
読書会が始まる
6次元では読書会も頻繁に開催しているそうです。
「村上春樹の読書会」は頻繁に行っているそうで、ハルキストが集まる読書会として度々テレビ取材が入るようになったとのこと。
ノーベル文学賞発表前で、「今年こそ村上春樹か?」と騒がれているのは多くの人がご存知ですよね。
そして、その発表日に毎年「ハルキストが集まるカフェ」として中継されているところを見たことある人いるのではないかと思います。
それがこの6次元なんです。
ここを読んだ時の僕は
「あそこだったのか!というか荻窪だったのか!」
でした。
これを読んだ皆さん、どんな感じですか?(笑)
元々、みんな自分の人生の主役
この、“人が集まる「つなぎ場の」つくり方”を読んで、つなぎ場をつくる人、そこに参加する人、参加したいけど見ているだけの人、それぞれがストーリーを持っているのであろうということを強く感じました。
誰もが自分の人生の主役であり、脚本家であるはずです。
一番小さなコミュニティは「自分」です。
そこに気付き、信じ、自分を発信する事からい1°(イチド)の変化が始まるのかなと思いました。
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