【 61冊目】
貧困とはなにか。
また、その中でもさらに見えづらいところにいる“最貧困女子”について可視化したい、という思いから書かれた本です。
著者は鈴木大介さん。
裏社会や触法少年少女、貧困問題などをテーマに取材を続けてきたルポライターであり、
『家のない少女たち』『援デリの少女たち』などの著者でもあります。
貧困とは何か
貧困とはなにか?
人は低所得に加えて「三つの無縁」「三つの障害」から貧困に陥ると考えるそうです。
三つの無縁とは、「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」
三つの障害とは、「精神障害・発達障害・知的障害」
三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない“最貧困女子”について、
可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを多くの例を通して知ることができました。
プア充女子
所得層的には年収125万円前後の「貧困女子」に位置するが、
とてつもなく充実している。
ギリギリではあるが生活を工夫し、
地元の友人らと協力し合い、
案外ハッピーに暮らし、
何より地に足がついている安定感がある。
同じような貧困層でも、やっていける人たちとやっていけない人たちには差がある。
その差が、強い地元愛と、地元仲間との連帯感でした。
この考え方を見ると、貧困とはなんなのかという意識がまた少し変わります。
最貧困女子
p.68 この人いったいどうすればいいのだろう。「母親失格」・・・そんな言葉も頭に浮かんだ。確かに彼女は何も与えられずに育ち、適切な教育も受けず、容姿にすら恵まれず、友達もいない。この苦境から脱出しようと努力しようにも、努力をするベースがない。まるで泥の上でジャンプしようとあがいているようだ。
最悪なことにこんな状況を続けているにも関わらず、
いまいち本人が危機感を持っていないことが多いと言います。
見えない出口
取材をしていて、答えが出ないことと出会うことがほとんどだと言います。
p.56 ここで懺悔するならば、僕は逃げたのだ。彼女らを取り巻く、圧倒的な不自由と、悲惨な壮絶から、僕は尻尾を巻いて逃げ出した。そこにあったのは、考えても考えても救いの光がどこにあるのか分からない、どう解決すればいいのか糸口も見えない、そんな、「どん底の貧困」だった。
この言葉にすべての思いが詰まっているように感じました。
答えが出ない問題をこの日本が抱えている。
その実情をこうして伝えるしかない自分に対して不甲斐なさを感じると言った鈴木さんの思いがここに表れていました。
忘れないでほしい
この本を通して、普段埋没してしまいがちな、見えづらい、分かりづらい、面倒くさい、そんな“最貧困女子”を忘れないでほしい、見捨てないでほしい、見下さないでほしい、というのが著者の思いです。
知って今すぐ何かできるわけではないし、救いだそうとしても難しい問題がたくさんあるなかで、私にできることはまず知ることからかなと思いました。
知って、自分なりに考えてみることから始まるのではないかなと思いました。
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