今日は未来デザイン読書会参加者の方から寄稿頂きました!
時代小説・歴史小説、好きな人はトコトンハマりますよね。
今日はそんな歴史小説大好きな読書会参加者から、一押しの小説を5編紹介していただきます。
それではどうぞ!
みなさん、「時代小説」と聞いてどんな印象をお持ちでしょうか。
もちろんジャンルとしてお好きな方もいらっしゃると思いますが、歴史が分からない、難しそうと、敷居が高いものと思っている方も多いのではと思います。
私自身、最初はそうでした。しかし、とある作品の美しい表紙に興味をひかれ手に取ったことからこのジャンルも読むきっかけとなりました。
時代小説は苦手・・・と思っている方は一度、ドラマや映画の原作作品でもいいですし、自身の知っている地元の偉人を描いた作品などピンときたものを、とりあえず手に取って読んでみてください。
そこから、あなたの物語は始まります。
ここでは、読みやすさ・読みごたえも考慮して「珠玉の時代小説5冊」をご紹介したいと思います。
【21世紀最強のサイコ・ミステリー】
この世の春(上)(下)/宮部みゆき
『火車』、『模倣犯』、『ブレイブ・ストーリー』など数々の傑作を世に送り出してきた宮部みゆきの作家生活30周年記念特別作品です。
物語は、名君だった父が他界してまもなく北見藩藩主の座についた北見重興が乱心のため、わずか5年で、家臣により強制隠居に追い込まれることから始まります。
重興の代わりに藩制を担っていた伊藤成孝は切腹。
実は、重興乱心の原因は、悪霊の仕業だと考えていた成孝はそれを調べるため重興に近づいていたのです。
しかし、重興は心にひとりで抱えるには暗く深すぎる闇を抱えていたのです。
そのため、彼は、「ある少年」をつくり出してしまいます。
文武両道の美丈夫、将来も嘱望され、評判も高かった重興に何があったのか。
また時同じくして、作事方の家に生まれ各務多紀はひょんなことから事件に巻き込まれていきます。
本作の最大の謎は、重興の存在。
多紀は若き医師・白田登、従弟の田島半十郎、元江戸家老の石野織部らと共に、重興を救うため奔走します。
公式に明かされている『この世の春』を読み解くキーワードは、「主君押込」、「五香苑に潜むもの」、「史上最も孤独で不幸なヒーロー」、「初の恋愛小説?」、「脇を支える女たち」、「合理主義とスピリチュアル」、「十六年前の事変」の7つ。
この7つのキーワードを手にあなたも、一緒に宮部ミステリーの世界に飛び込みましょう。
【赤い眼は何を語るのか】
浮雲 心霊奇譚シリーズ/神永学
『怪盗探偵山猫』シリーズや、『心霊探偵八雲』シリーズで人気の神山学の幕末ミステリー小説です。
幕末ミステリーといっても、堅苦しい表現はなく、読みやすい作品となっています。
夜道で幽霊に出くわしたというその日から奇妙な行動をとるようになった姉を救うため、絵師を目指す青年・八十八は、「憑きもの落とし」の名人に会いに行きます。
神社に棲みつくその男は、白い肌に、両目を覆うように赤い布を巻く男、見るからに妖しい容姿の彼は、名を浮雲と言いました。
破天荒で、お酒と女好き。そして守銭奴の浮雲ですが、布の下の赤い両目には死者の魂を見ることができるという不思議な力を宿っています。
そんな妙な容姿や力、そして口の悪さに反して、根は優しい浮雲。
そんな浮雲と共に行動を共にすることで、八十八は衝撃の事実を知ることになりますが、それでもどこか浮雲に惹かれていきます。
また、実在する幕末の志士たちが浮雲や八十八と知り合いだったりと、江戸の雰囲気を存分に味わうことができます。
また「赤い眼」シリーズということで、同著者の『心霊探偵八雲』のルーツとなる作品といわれている本作品。
そういえば、両作品主人公の性格が似ているような。
今作は現時点で、『赤眼の理』、『妖刀の理』、『菩薩の理』、『白蛇の理』の4冊が刊行中です。
また、本作は、幽霊が出てきますが、ホラーではなく、ミステリーであり、ホラー要素はないので、ホラー作品が苦手な方も安心して楽しめると思いますよ。
【幕末のヒーローが手を組んだ!?】
相棒/五十嵐貴久
舞台は、大政奉還を間近に控えた京の都。
将軍・徳川慶喜暗殺未遂が発生します。この事実を知るのはごく僅かな家臣のみ。
そんな中、幕閣から犯人探索の密命を受けたのは、坂元龍馬とその宿敵、新選組の鬼の副長・土方歳三。
最初は面食らう二人でしたが、幕命に逆らうわけにはいきません。
しかし、二人に与えられた時間は、僅か2日間でした。
時にいがみ合い、時に協力し合い、捜査を続けた二人は、やがて事件の真相に辿りつきます。
果たして将軍暗殺未遂の真相とは・・・。
そしていつの間にか二人の間には、目には見えない不思議な絆が生まれていました。
しかし時代は幕末。
坂元龍馬の暗殺の時もまた迫っていたのです。
そして、龍馬暗殺と時同じくして、外国の海に現れた男の正体とは・・・。
史実と合わせるとあり得ない設定ですが、明治維新150周年を迎えた今年、坂本龍馬、土方歳三、そして幕末に生きたたくさんの志士たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
【純粋で心優しき天才剣士】
沖田総司/大山美予子
歴史に疎い人でも、沖田総司といえばご存知の人も多いかと思います。
誰もが知る、新選組の天才剣士です。
そんな沖田総司の生涯を繊細かつ、力強く描いたこの作品。
司馬遼太郎の描く沖田総司像がお好みの方なら、きっと気に入るという意見もちらほら聞かれます。
剣士としての死に場所を求めながらも、病に倒れ、しかし自分の弱さをみせず、冗談を言い、周りに気をつかってみせる総司。
また体調の悪化も伴い、江戸に引き上げ千駄ヶ谷で病床についた総司と近藤勇が、「初めて口らしい口を利いたのは「凧が欲しいんです」だった」と昔を懐かしむシーンや、見舞いに来た土方歳三を「行ってはいやだ!一人だけ残されるのは、もういやだ」と引き止め、この気持ちだけでも一緒に連れていってほしいと願う総司と、「いつだって俺はお前を離したくはなかったんだ」という総司のシーンは、切なさを拭えません。
時代に翻弄された沖田総司の生涯を是非、ご堪能ください。
【15世紀 神の「声」を聞いた女性】
傭兵ピエール(上)(下)/佐藤賢一
こちらは他の作品と違い、百年戦争真っただ中の15世紀フランスの物語です。
王家の威厳は無いに等しく世は混沌と暴動に溢れ、人々は絶望の淵に立たされていた。
そんな戦乱の時代、傭兵部隊「アンジュ―の一角獣」を率いる大貴族の私生児ピエールは、略奪や人身売買など悪事の限りを尽くしていた途上で不思議な少女・「オルレアンの乙女」ことラ・ピュセル後のジャンヌ・ダルクに出会い、人間的な心を取り戻して行きます。
共に戦争の中を生き、互いに惹かれ合っていく二人。
そんな二人の影響を受け、ピエールの周りは大きく変化していきます。
しかし訳あってジャンヌと別れ戦線から離脱、南フランスの田舎町で警備隊を務めていたピエールの元にジャンヌ・ダルク救出の極秘任務が持ち込まれます。
ピエールはジャンヌを救うことができるのか。二人の行く末を是非、ご自分の目で確かめてください。
まとめ
いかがでしたか?
『時代小説』といっても歴女、刀剣女子などの言葉が流行るように、エンターテイメント性にとんだ作品もまだまだ沢山あります。
また、正統派な作品や史実をベースに書かれているものは、歴史の勉強にもなりますし、歴史に興味を持つきっかけにもなります。
今まで歴史小説を読んだことのない人も是非、手に取ってお気に入りの一冊を見つけてみてください。
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