【東京読書会書評】最高のリーダーは何もしないはリーダーのバイブルに成り得る!では、ビジョン型リーダーシップについて学んだことを書きました。
今回紹介する本は、青山学院大学陸上競技部監督である、原 晋氏の言葉を纏めた「語録」といえる本です。
原 晋(はら すすむ)
青山学院大学体育会陸上競技部監督。1967年生まれ、広島県三原市出身。中学から陸上を始め、中京大学3年時に全日本インカレ5000mで3位入賞。卒業後、陸上部第1期生として中国電力に進むが、故障に悩み5年目に競技者を引退。95年より社員・提案型営業マンとして再スタートを切り、新商品を全社一売上るほどに活躍。指導経験はなかったものの04年から現職に就き、09年には33年ぶりの箱根駅伝出場、2012年に出雲駅伝優勝、2015年に青山学院大学史上初の総合優勝を果たすなど、目覚ましい成功を収めた。
箱根駅伝の近年の活躍は多くの人が知っていると思います。
僕はあまりマラソンは観ませんが、青学が連覇したくらいは知っています。
この、「人を育て、組織を鍛え、成功を呼び込む勝利の哲学」には、157の原監督の言葉と、その内容が収録されています。
1つ1つの語録を半ページに纏めているのでビジネス書が苦手な人でも比較的読みやすい本なのではないかと思います。
組織人にも、個人にも、どちらにも気付きを与える本
この本を読み終わっての感想は、この監督、本当にすごいリーダーだ!という、シンプルな感想でした。
学生の育成、組織論、目標設定のやり方、全てが、今の自分にとってかなり参考になりました。
僕は、不確定性を増す現代社会の中で、「自分の名前で稼げるようになるためにはリーダーシップは欠かせない要素の1つだ」と信じています。
この本には既にそれを実現しているリーダーの生の言葉が詰まっていました。
自分が成功するためには、すでにその分野で成功している人に教えを乞うのが一番の近道だといいますが、この本は原監督に会わずして原監督の教えを(全てではないにしても)受けることが出来る非常に良い、まさにこれも「なるほどポイント」溢れる本でした。
会社員として働く人も、独立起業する社長にも、個人事業主にも、全員に読んでほしいと思いました。
「最高のリーダーは何もしない」と本著を合わせて読むことでその読書効果は何倍にもなると確信しました。
目標の立て方、宣言、実行、達成、全てがシビれる!
原監督は2004年に青学大陸上部監督に着任し、2015年に箱根駅伝総合優勝を果たしました。11年かかっています。
この期間だけを見ると、そんなに時間がかかったのかよ!と思う人もいるかもしれませんが、この本を読むと、原監督の計画通りに進んだという事が良く分かり、この人の計画実行力と学生育成力、そして何より、学生が「ついていきたい!」と思う人間力がよくわかります。
原監督は就任当初「3~5年で箱根本選出場」を前提に大学側にプレゼンし、さらには10年目での優勝を目標としていた。
「91.10年で優勝争いします・・・半歩半歩と積み上げたことが実を結んだ」より
就任当初から、10年後に優勝するという目標をたて、それを実現したのです。
そして、就任1年目当時の現役学生には、「君たちの4年間の中で優勝させること、夢を叶えさせることは約束できない。ただ、このチームは10年後には必ず優勝させるからその礎を一緒に作ってくれないか。」と言ったそうです。普通の監督はこんなことは言いませんよね。
例えそういうビジョンがあったとしても、面と向かって「今」頑張っている学生にそれを言葉にして伝えるというのは本当にすごいと思います。
原監督の目標設定は、現状を正確に把握し、実現可能なものを実現可能な時期に設定しているというものです。
根拠無く、単に形だけの目標設定をしている一般企業の管理職の方はこの本を読むと良いです。
ただし、リーダーは夢のある話をしなくてはいけない。という事も同時に説いています。
壮大なビジョンを見せつつ、それを達成するために実現可能な短期目標設定を行い、実行に移していく。
これが大事なのだと学びました。
勝つためには、常に変化を続けることが大事
当たり前の事なのですが、原監督はこの考え方を日単位で実践しているのではないかと思います。
大抵の人は、精々月単位ではないでしょうか。
常識を疑え。常識は時代とともに移り変わるものだ。
107.今日の常識が明日の非常識になる
また、強いチームを作るには人間性を重視すべきだという事も言っています。
どんなに走るのが早い選手がいたとしても、生活態度や練習への取り組み姿勢が他選手の模範になりえない選手は青学にはいらないと言い切っています。
スポーツでも、ビジネスでも魅力的な方というのはやはりその「在り方」自体が魅力的なのだなと思います。
チームビルディングに必要な哲学が満載だ!
何かあると全員が納得いくまで話し合う。全員が同じ方向を向くように意識付けを行う。「やっぱり覚悟なんですよ。覚悟と最初の約束事。なんのためにこれをやるのか、という事が大事。」
56.新しいチームを動かすという事は大きく思い鉄球を動かすことと同じ。最初はビクとも動かない。でも、みんなで力を合わせて一度転がり始めたら強大なパワーで進む。
これは、チーム論だけではなく、個人でも同じですね。
何か新しいことを始めようとするとき、0を1にする段階が一番パワーが必要です。「よし!やろう!」と思った後、実際に行動に移すとなると躊躇する人はたくさんいますよね。ですが、1→10はその行動を継続するだけなので0→1よりは大変ではないと思っています。
1人1人が、同じ「よしやろう!」の目標を共有し、この0→1を達成したら、そのチームが強いチームになるのは自明ですね。
原監督は学生全員にビジョンを見せ、それを個々人の意識にまで落とし込み、更に規律を重んじることで見事に青学大陸上部一丸となって箱根優勝に向かう流れを作り上げました。
リーダーとして長期的視点を見せ、チームの構成員が自主的に動くように流れを作る。
これは、「最高のリーダーは何もしない」でのビジョン型リーダーにピタリと当てはまります。
覚悟の重要性
中国電力で営業マンとして実績を上げていた時に青学大の監督をやりませんかと誘われたとき、原監督は迷ったそうです。
中国電力に席を残したうえで出向する形を模索したといっています。しかし、上司から「学生から見透かされるぞ」と忠告を受け、中国電力を退職する決心をしたそうです。
何かを始めるときに退路を断つという覚悟は必要です。
143.覚悟を持ち、退路を断つ
僕はしばらくは読書会でのお勧め本での紹介ではこの本と、藤原久美さんの本をパワープッシュします(笑)
もうすぐ3月が終わりますが、今年は3か月でこんなにいい本に2冊も出会えたので幸先が良い!!
是非皆さんも今年の一押し本をもって未来デザイン読書会にご参加ください!
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