前回の癒し小説編に続き、今回も作家の丘紫さんにおススメ小説をご紹介頂きます!
今回はファンタジー小説!児童向けの本を執筆されている丘紫さんが、大人に読んでほしい厳選のファンタジー小説を語ってくださいました!
ご紹介頂いた作家さん
丘紫真璃さん<HP>
兵庫県神戸市在住
1988年 12月13日生まれ
14歳の時、「黄色い卵は誰のもの?」(幻冬舎)で、デビュー。
他の著書に、第2回新・童話の海入選作「リンリンちゃんとワンゴ天才発明会社」(ポプラ社)、「おりょうり犬ポッピーシリーズ」(ポプラ社)小学館ジュニア文庫小説賞金賞作品「ぐらん×ぐらんぱ! スマホジャック シリーズ」(小学館)などあります。
愛犬は、ポピーとココリック。共に中型犬雑種犬メス
趣味は、犬の散歩と、バレエと、ヨガ
ハリー・ポッターなどのブームで、ファンタジーを読む人がいくらか増えたかもしれません。
けれども、昔からの名作と呼ばれるファンタジー小説をどれだけの人が読んでいるでしょうか。
まだまだ、多くの人が手に取ってみたことがないのではないでしょうか。
人は、ファンタジーなしには生きていくことはできません。
昔、人は神様を信じて生きてきました。
しかし、自然科学が発達した今、神様の存在は実に希薄になりました。
ところが、人は自然に神を求めるものなのです。
現実世界だけでは生きていくことはできません。
それは、人の心にとって実に不自然で、現実世界だけで生きていこうとしたら、息がつまってしまい、心が死んでしまうでしょう。
人の心を潤すことができるもの。
それが物語であり、ファンタジーであるといえると思います。
何のために生きているんだろうとむなしくなったり、最近、精神的に不安定だなあと感じている方は、一度、立ち止まって、ファンタジー小説を手に取ってみてください。
というわけで、私のおすすめのファンタジー小説5作を、紹介していきます。
どれを読んでも素晴らしい! 喜びのファンタジー「ナルニア国物語」
ファンタジーといえば、やはり外せないのが、「ナルニア国物語」。全7巻からなる超大作で、ファンタジーの古典的名作といえる作品です。
このシリーズの中で一番はじめに出版されたのが「ライオンと魔女」ですが、この作品には、戦乱を避け、イギリスの大きな田舎屋敷に疎開してきた4人の子どもたち…ペペンシー兄弟が登場します。
ふとした拍子で衣装だんすに隠れたペペンシー兄弟ですが、なんと、そのたんすは魔法のたんすで、たんすの奥に進んでいくと、あるはずの壁がなく、雪景色が広がる、不思議な世界に出てしまいました。
その不思議な世界こそ、「ナルニア国」。地球とは全然違う、異次元の世界だったのです!
ナルニア国で大冒険を繰り広げる4人の子どもたち。
ハラハラドキドキの冒険と戦いに、血が騒ぐ人も多いはず。
「ライオンと魔女」だけでなく、そのあとの作品もすべて、ハラハラドキドキの冒険物語が続き、巻を追うごとに、ナルニア国の歴史がひもとけるようにもなっています。
一つ、一つの物語として読むだけでも面白いのですが、やはり、すべての巻を読んでいただくほうが、ナルニアファンになれるはず。
最後まで読み進めたときには、単なる面白いを通り越して、深い、深い感情が、心の奥から湧き上がってきて、あなたの魂を揺さぶります!
ぜひ、本を手にして読んでほしい!「はてしない物語」
ミヒャエル・エンデの作品で、これもまた、ファンタジーの名作中の名作といえるでしょう!
映画でも有名になりましたが、これはぜひ、ぜひ、本を手に取ってほしいと思います。
できれば、文庫本ではなく、単行本。
というのも、単行本を読んだ人にしかわからないビックリの仕掛けが、この物語にはあるからなのです。
主人公のバスチアンが惹きつけられる魔法の本。
彼が手に取った本は、
表紙はあかがね色の絹で、動かすとほのかに光った。パラパラとページをくってみると、なかは二色刷りになっていた。さし絵はないようだが、各章の始めにきれいな大きな飾り文字があった。表紙をもう一度よく眺めてみると、二匹の蛇が描かれているのに気がついた。一匹は明るく、一匹は暗く描かれ、それぞれ相手の尾を噛んで、楕円につながっていた。そしてその円の中に、一風変わった飾り文字で題名が記されていた。『はてしない物語』と。
とありますが、これは、なんと、なんと! 読者が手に取っている本と全く同じ!
なのです!
バスチアンと同じ魔法の本を、読者もまた、手にもって読んでいるというわけなのです!
バスチアンは、その魔法の本を読み進めていくうちに、否応なく、異次元世界…ファンタージエン国に入っていきます。
そして、バスチアンと一緒に、本を読んでいる読者もまた、ファンタージエン国に入って、冒険をするのです。
こんな本は他にありません。
これぞ、本を読まなくてどうする!
と声を大にして言いたいので、ぜひ、単行本を手に取ってみてください!
本を読んだら、ますます、アリスが好きになる「不思議の国のアリス」
不思議の国のアリスといえば、ディズニー映画でもおなじみです。
おそらく、知らない人はいないでしょう。
けれども、実際に本で読んだことがあるという人がどれくらいいるでしょうか。
ディズニーアニメの影響から、アリスといえば子ども向けの本だと思いこんでいる方も多いと思いますし、実際、子どもも楽しめる本ではありますが、本当の面白さは大人になってからの方がより味わえるのではないでしょうか。
アリスの独特のユーモアを文章の間から感じ取ることができるのは、大人になってからではないかなと個人的には思います!
また、「鏡の国のアリス」という続編があることをご存知の方も少ないのではないでしょうか。
こちらもまた言葉遊びや、高度なユーモアがたっぷり詰まった素晴らしい作品です。
「不思議の国のアリス」を読んで、楽しめた方はぜひ、「鏡の国のアリス」も、合わせて読んでみてください。
本を読んだら、きっと、ますます、好きになる「ピーター・パン」
これまたディズニー映画でおなじみのピーター・パン。
この永遠の少年をご存知ない方は、
まず、いらっしゃらないでしょう。
けれども、「ピーター・パン」もまた、本で読んでみたことがあるという方が、どれだけいらっしゃるのかなあと思うと、実はあまり多くはないのではないかなと思います。
作者のジェームズ・マシュー・バリは、「ピーター・パン」が登場する作品を数多く書いており、戯曲「ピーター・パンあるいは大人になりたがらない少年」、小説「ケンジントン公園のピーター・パン」、小説「ピーター・パンとウェンディ」、「小さな白い鳥」とさまざまありますが、一番有名なのは、「ピーター・パンとウェンディ」であり、フック船長などのおなじみの登場人物が出てくるのも、この作品です。
けれども、本で読んでみると、バリのユーモアあふれる文章が、なんと面白いことでしょう!
もちろん、子どものうちでも楽しめる作品だと思いますが、バリのユーモアたっぷりの文章を本当に味わおうと思ったら、大人になって読んだほうが絶対にいいのではないかと思います。
あの悪者フック船長の内面も細々と描かれており、ピーター・パンを憎らしく思う気持ちなども、なるほど、なるほどとうなずけて、ちょっと好きになってしまうくらいです。
ウェンディのお父さんとお母さん、ウェンディの乳母の犬ナナなども、大変個性的で、魅力たっぷりの人物たちです。知らないうちに好きになってしまうでしょう!
兄弟愛に胸がつまる「はるかな国の兄弟」
「長くつ下のピッピ」でおなじみのアストリッド・リンドグレーンの名作。
数多くの名作を残しているリンドグレーンですが、この「はるかな国の兄弟」もまた、強烈なファンタジー小説です。
子ども向けの本だからと素通りしてしまうには、あまりにもすごすぎる作品。子どもから大人まで楽しめる名作の一つではないでしょうか。
まだ9歳なのに病気で死にかけている主人公のクッキー。
彼がいつものように、一人で家で寝ている時、家が火事になり、炎に包まれてしまいます。
そこに飛び込んでいったのが、兄のヨナタンでした。
ヨナタンは、クッキーを背中におぶい、ためらうことなく、2階の窓から身を投げて、息を引き取ってしまいます。
冒頭からいきなりドラマチックにはじまるこの作品。
死んだヨナタンと、兄を追うようにして病気で亡くなったクッキーは、死後の世界「ナンギヤラ」に飛んでいきます。
ところが、そこには平和はなく、悪が支配していました。
悪と戦う兄。
その兄を慕い、ひたすら追いかけるクッキー。
兄弟に次から次に降りかかる困難に、息をつくヒマもありません。
そして、ハラハラドキドキの冒険の結末は…。
こんなに胸のつまるようなラストは、他になかなかありません!
一度は手に取ってほしい作品です。
この他にも、「指輪物語」「ゲド戦記」「銀のほのおの国」など、ファンタジーの名作はたくさんあります。
どれを好きになるのか、それは、一人一人の心の世界とどれだけ響き合うかということによって、変わってくると思います。
ぜひ、あなたの心の世界と共鳴する一作を探してみてください。
文章:丘紫真璃さん
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