この章では、私たちがプライベートやビジネスにおいて、期待通りの良い結果を得るために必要となる習慣を身に着けることがテーマとなっています。
その「第三の習慣」として紹介されているのが「重要事項を優先する」習慣です。
この習慣についてのポイントを言い表す言葉を文豪ゲーテはこのように語っています。
“大事を小事の犠牲にしてはならない。 ゲーテ”
第三の習慣の基本原則は以下のようなものです。
《原則》重要事項を実行するためには、あなたの「誠実さ」が必要とされる。
※「誠実さ」=言行一致
それでは具体的にどのようにして「重要事項を優先する」のかを見ていきましょう。
重要事項にフォーカスをする。
目の前にあるタスクの優先度を測る基準として「重要度」と「緊急度」の2つを軸にしており、例えとして航海を進める際の「コンパス」と「時計」をあげています。
航海を進めるうえでは「コンパス」と「時計」の両方が大切となりますが、まず「コンパス」を見てから「時計」を見ることが大切となります。
なぜかというと、「どこに向かって進むのか」ということのほうが、「早くたどり着くこと」のよりもより重要だからです。
△「コンパス」が表すもの:ミッション、目的、価値観、ビジョン
→あなたのもっとも大切にしているもの
=正しい物事を行うこと。どこに梯子をかけるのか。
「コンパス」は「重要度」を示しています。
△「時計」が表すもの:アポイントメント、スケジュール
→あなたの時間の活用の仕方
=物事を正しく行うこと。どのように速く梯子を上るのか。
「時計」は「緊急度」を示しています。
《まとめ》タスクの「優先度」を考えるときには、「緊急度」よりも「重要度」を重視する。
重要でないものを最小限にする。
タスクの「優先度」を考える基準として「重要度」と「緊急度」2つの軸で考えることと、その際には、「緊急度」よりも「重要度」を重視することが大切ということを紹介しました。
それでは、より具体的にタスクの優先順位を明確にするために「重要度」と「緊急度」を軸とした4象限のマトリックスを作成し、タスクを分類してみましょう。
【第1領域】「重要」且つ「緊急」=「必須」の領域
【第2領域】「重要」だが「緊急ではない」=「効果性」の領域
【第3領域】「緊急」だが「重要ではない」=「錯覚」の領域
【第4領域】「緊急ではなく」且つ「重要ではない」=「浪費」の領域
・重要:ミッションや価値観、重要な目標の達成に貢献する活動のこと。
・緊急:すぐに対応しなければならないと感じられる活動のこと。
重要度と緊急度によって上記のような4つの領域にタスクを分類し、「重要でないものを最小限にする」ことを目指しましょう。
そこで各領域がどのようなタスクが該当するのか具体的な事例を見てみましょう。
【第1領域】必須の領域:重要且つ緊急な活動のこと。
・危機や災害
・切羽詰まった問題
・締め切りの迫ったプロジェクト
・会議への出席や報告書類の作成
・クレーム対応
重要度が高く、緊急度も高いこの領域の活動はやりがいなどもあり積極的に取り組まなければならないタスクではあるのですが、この領域の活動ばかりだと疲労感やストレスが増え徐々に仕事の質が低下していってしまうリスクが考えられます。
【第2領域】効果性の領域:緊急ではないが重要な活動のこと。
・準備
・予防
・計画
・人間関係づくり
・レクリエーション
・価値観の明確化
・自己啓発や能力開発
緊急度が低いためについつい後回しになりがちなタスクではありますが、本来最も重視して取り組むべき自分にとって重要な活動にあたります。
緊急度が高まってしまってから取り組むよりも、時間的なゆとりももって取り組むことで「質」を高めることが期待できます。
第2領域の活動を増やすことで、結果的に第1領域の活動を減らすことが理想的です。
【第3領域】錯覚の領域:緊急ではあるが、重要ではない活動
・不必要な中断
・不必要な報告
・意味のない会議、電話、メール、報告書
・他人のささいな事柄
・日常的な雑事
最も意識的に減らすべきなのがこの領域の活動になります。
突発的に発生をしたりすることで緊急度が高く「仕事をした気分」が残ってしまうのですが実際には重要ではなく成果には結びつかない「錯覚」ですので、取り組む時間を工夫したり、ときには断るなどの意識的にコントロールすることで削減していくことが重要となります。
【第4領域】浪費の領域:緊急でも重要でもない活動
・ささいな事柄や見せかけだけの仕事
・無意味な電話、メール、郵便
・時間の無駄遣いと思える雑務
・「逃げ」の活動
・休憩のし過ぎ
言うまでもなく最も無駄な活動となります。
この領域での活動がある場合には直ちに削減するか、もしくはそのような活動に走ってしまう原因を見つめなおして必要な措置を取るように改善活動を実施しましょう。
《まとめ》重要ではない第3・4領域の活動を最小限にし、第1・2領域の活動を増やす。
「第2領域」の活動を最大化する。
重要度の高い活動のなかでも最も増やしていきたいのが「第2領域」の活動になります。
より重要なことを確実に実行していくためには、突発的に発生するタスク(第1領域)によって重要なことに取り組むことができないということを防がなければなりません。
冒頭に紹介をしたゲーテの言葉のように「大事を小事の犠牲にしてはならない」わけです。
そのために重要となることが「週間計画」を立てることです。
そしてこの「週間計画」を立てるうえで重要となるのが以下に紹介する“3つのステップ”となります。
・STEP1:ミッションと役割を見直す。
先ずは自分のミッション・ステートメントと役割を毎週見直すことが重要となります。
ここでの「役割」とは、自分自身の大切な人間関係とそこでの責任を表しています。
プライベートとビジネスの両方から7つ以内で「役割」を選択しましょう。
《役割のサンプル》親、夫、子供、兄弟(姉妹)、ボランティア、部長(課長)、作家 など
・STEP2:「大きな石」を選び出す
「大きな石」とは、より重要なタスクやアポイントメントのことになります。
その週の予定のなかで自分ができるもっとも大切なことは何かを役割ごとに考えてみましょう。
・STEP3:一週間をスケジューリングする
STEP1,2で選択をした役割毎の大きな石を一週間のスケジュールとして計画にしましょう。そして大きな石をもとに計画をした週間計画から「日々の計画」を立てていきましょう。
《まとめ》重要度をもとにした週間計画を立て「第2領域」の活動時間を確保する。
第三の習慣についてのまとめ
第三の習慣は「重要事項を優先する」ということでした。
日々の活動を「重要度」と「緊急度」の2軸で分類し、緊急性に流されがちな優先順序の意識を、重要度を優先することにパラダイムシフトをしていくことで、自分自身がもっとも大切にしていることに対して十分な時間と質の高い活動を創出することが可能となり、結果的に自分が求める成果を得ることができるようになります。
先ずは自分のミッション・ステートメントと役割に対する重要事項を見つめなおしてみるところからはじめてみましょう。
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