ここでは、あなたが成長するため、スティーブン・R・コヴィー氏が著した「7つの習慣」の概要を説明します。
本書は、成長する方法の基本概念を第1部で説明した後、7つの習慣と題して、1つの方法を7段階に分けて具体的に説明しています。
本書の限界も知ったほうが良いでしょう。米国式のチームワーク形成方法であり、組織論ではありません。組織的な内容に触れている部分もありますが、組織論的観点からすると、物足りません。
また、「成功とは何か」については記されていません。
あなたが成長に成功したことが「成功」なのです。
インサイドアウト
本書は、依存体質から自立、自立から他者や組織との相互依存を良くする方法を説明しています。
「自分自身に課した誓約を守れない人、すなわち自身の中で決めたルールを守れない人が、他者や組織と契約をして良好な関係を保てるわけがない」という、ごもっともな思想の上に成り立っています。
本書では、このことをインサイドアウトと言い、私的成功は公的成功に先立つと説明しています。
個人主義と人格主義
本書では表面的態度を変える方法を個性主義と呼び、内面が変わることによる表面的態度が変わってくる事を人格主義と呼んでいます。
本書では後者を選び、前者を先に説明した理由で退けています。
表面的な態度の深淵にある誠実な意志を汲み取っていく成長方法は推奨していません。
表面から深淵、つまり潜在意識に迫る方法もありますが、本書の範囲外なので説明はしません。
が、存在する事だけは知っておいてください。
アウトサイドイン
インサイドアウトの逆は、アウトサイドインです。
アウトサイドインに基づいた意思決定では、どうしても対処療法となり、解決できないような問題に直面した時、行き詰まってしまいます。
この行き詰まりを解決する方法が、インサイドアウトの中の主体性の確立です。
主体性について
物事に行き詰まった時、誰もがその原因を考え、問題を解決しようとします。
問題の原因を自分以外の事にした場合、『ある事が駄目だから上手くいかない。』とし、上手くいかない原因の主体(主語)は自分以外にあります。
これでは、受動的になり問題解決の糸口が見いだせません。
これに対し、原因を自身の内に見出すと、『自分のこの点が駄目だから上手くいかない。』となり、原因の主体が自分にあります。
このような状態を主体性があると呼んでいます。
能動的で、問題解決が容易になります。
どのように楽になるのでしょうか。
自分自身に原因を置いた場合の解決方法について考察しましょう。
肯定的表現
スピリチュアルの引き寄せの法則や心理学的成功法のNLPには肯定的表現(アファーメーション)があります。
これは否定的な表現を肯定的な表現に置き換えることを言います。
本書にも同様の事が書かれています。
否定的表現から肯定的表現に置き換えることで、自分自身をどのように変えればよいか、簡単に「気付く」ことができます。
否定的表現 | 肯定的表現 |
~できない | ~の代替案を考えよう |
~しなければならない | ~をすることに決めた |
~でないと駄目だ | ~の方が良い |
仕事上の20代の悩みを調べると、「自分の適性がわからない」「仕事とプライベートの両立ができない」という項目が際立っています。
適性がわからない、というよりも適した仕事がないのかもしれません。
実に否定的な表現です。
いつか自分が気に入る仕事にめぐり合えるという受け身体質に陥っています。
これを肯定的表現にすると、「どんな仕事でも気に入る可能性がある」となります。
また、「仕事とプライベートの両立ができない」も、仕事に時間をかけすぎている、またはその逆のことです。
いつかバランスが取れることを期待する受け身型です。
「効率よく仕事をして余った時間をプライベートに回そう(またはその逆)」や、
「仕事とプライベートのバランスを良くしよう」
と肯定的な表現を用いれば、自分の行動を分析し、スケジュール管理を徹底すればよいことになります。
影響すること
本書では、問題点を3つに分類します。
- 直接、自分がコントロールできる問題 … 自分の行動に関する問題
- 間接的に、自分がコントロールできる問題 … 他人の行動に関する問題
- 全くコントロールできない問題 … 明日の天候、過去の出来事など
「直接、自分がコントロールできる問題」は、自分が変わればよく、「間接的に、自分がコントロールできる問題」は、例えば他人を説得したりして影響を及ぼすことが出来ます。
他人への影響は、「私的成功」ではなく「公的成功」に属するのでここでは省略します。
全くコントロールできない問題には、若干、苦しい書き方ですが、態度を変えることが出来ると主張しています。
主体性を妨げる物
あなたは、他人から偏見の目で見られています。
それだけなら良いのですが、自分の事も偏見で見ています。
どのような偏見でしょうか。
「遺伝的」「心理学的」「環境的」な決定論による偏見です。
自分自身の価値・能力を低く見積もっているのです。
「遺伝的」は、両親から引き継いだ性質を持っているという思い込みです。
「心理学的」は、育ってきた過去により今の性格が作られたという思い込みです。
たとえば、「過去に大失敗をして心に深い傷を負ったから、内気な性格になった」などです。
「環境的」は、現在、置かれている状況が悪いという思い込みです。
たとえば、仕事がうまくいかないのは上司の指導が悪いからなどです。
上司外にも、部下、会社の体質、インフラなどの環境要素があります。
「遺伝的」「心理学的」「環境的」な決定論は、本当にあなたの行動を限定するのでしょうか。
両親の性格や学歴やあなたを取り巻く環境は、あなたが主体的に仕事をする事とは全く関係がありません。
「主体的」または「受動的」に仕事をすることを決めるのは、あなた自身なのです。
依存
仕事を始めた時は、誰でも他人に依存しています。
なぜなら、仕事のやり方を教わらなければならないからです。
ところが、仕事を覚えても依存し続ける人がいます。
どうすればよいかを自分で考えるのが面倒だからです。
指示待ち状態は依存体質にほかなりません。
受け身、待望型
仕事では、プレゼンテーションをしたり、業界に関する知識を広めたりしなければなりません。
「効果的なプレゼンテーションができない。」とか「業界について、どう学べばよいかわからない。」と言う人が居ますが、これは、いつか誰かが、プレゼンテーションの方法を教えてくれる、業界について教えてくれることを待っているのです。
このような受け身体質から脱却し、自ら考えて率先して学ばなければなりません。
そうしないと主体性は育たないのです。
逃避
主体性を発揮し、率先して物事をすると、必ず他者と意見の相違が発生します。
主体性は、あなたの独自な方法で進められ、この方法は必ずしも他者の意見とは一致しないからです。他者との意見の相違が怖いから、いつまでたっても他者に従っている事は、単なる逃避です。
他者と意見が食い違った場合、他者の意見を取り入れたり、時には相手を説得しなければなりません。主体性を持つことは、勇気が必要なのです。
主体性の度合いの測り方
本書では、関心の輪、影響力の輪として表現していますが、ここでは関心の輪を新聞に、影響の輪を記事として具体的に考察します。
新聞には、毎日、総理大臣の記事が掲載されています。
世の中の動向に総理大臣は主体的に参画しているからです。
世の中の動向は、誰もが関心を示すので、様々なことが新聞に掲載されます。
つまり、新聞は世の中の関心の輪であり、総理大臣の記事は総理の影響の輪なのです。
あなたの日々の仕事に、日報や週報、月報、報告書などがあるでしょう。
これらは仕事上の関心の輪に相当します。
これらの中で、あなたが関わったことが、どれだけ書かれていますか。
ほとんどの記事にあなたが関与していれば、あなたには主体性があります。
では、某宗教団体や某政党の機関紙たる新聞はどうでしょうか。
関心の輪よりも影響の輪が大きくなっています。
本書では、このようなケースでは、近視眼的、利己的、自己中心的な生活様式になってしまうとしています。
持つことと成ること
仕事に関心を「持つ」ことは、あなたの仕事遂行能力を高めることになります。
本書では、仕事遂行能力をPerformance Capability、略してPCと呼んでいます。
また、仕事を達成することで、あなたは成功者に「成る」のです。
この仕事の達成(目標達成)を本書では、Perfomance、略してPと呼んでいます。
そして、目標達成と目標達成能力には適切な割合(P/PC)が存在します。
たとえば、能力もないのに大きな目標を掲げると無謀となり、能力があっても目標が小さいと消極的となってしまいます。
主体的に仕事に関心を持つことによりPCの値を大きくすることができ、その結果、効率的に行動(P)ができるのです。
まとめ
7つの習慣では、自分自身へに対する約束事が、他者との関係より優先されると考えます。
私的成功を修めた後、他者が関係する公的成功が可能になると考えます。
これをインサイドアウトと言います。
このインサイドアウトで、まず実行しなければならない事は、依存体質からの脱却、すなわち独立です。独立に欠かせないのが、主体性を持つことです。
主体性を持つためには、以下の手順が重要です。
・仕事などの関心事について自発的に学び能力を高める。
・苦境においても、何ができるかを肯定的に考え、他者から支配されないで、能動的に行動する。
主体性を持つため、
絶えず自分は誰かに依存していないかと自分自身を分析し、
誰にも頼らないで能動的に行動する癖をつけることが重要です。
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